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京阪奈の地元民ならではの奈良と京都南部の隠れたスポット・おすすめ情報をご紹介していきます。

山中に広がる超カオス仏教伽藍の壷阪寺

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由緒ある寺院がゴロゴロし、石を投げればお寺に当たるかもしれない奈良県。そんな場所に無数の石仏、石像で境内が埋め尽くされたお寺があるとしたら。

壷阪寺 

ちょっとでも興味を持ったあなたは、もしかして国宝級のお寺にはもう飽きているのではないでしょうか。そんな飽食時代の申し子のような方にオススメなのが壺阪寺です。奈良盆地の南端から吉野山へと続くワインティングロート脇の山中に広がる巨大観音の頭や仏塔、尖塔がニョキニョキ生えた大伽藍は、それだけでも大不思議空間です。

 

天竺渡来

パンフレットによれば、同寺が長年続けているインドへの援助活動のお礼として大観音、大仏、涅槃像をはじめ、多くの石彫作品を贈られたそうです。総重量1500tという石のお堂まで天竺渡来と書いてあります。このお堂は7年の歳月をかけ、12万人の手によって彫られたらしいです。堂内にも迫力満点の石像がいっぱいです。もちろん完成品を運んできたワケではなく、インドで彫刻したパーツをこの地で組み立てたらしいのですが、おそらくそうとうインドの方々に感謝されている模様。

 

境内は石仏が所狭しと並んでします。2007年11月にはるばる天竺からやって来た石造りの「壷阪大仏」と三尊像のカルテット。お釈迦様の生涯を描いた石のレリーフ。23億年前の石を使い作られた高さ20m、重さ1200t の大観音像。もちろん全てメイドイン天竺です。涅槃像も、しつこいようですが天竺渡来。

壷阪寺

境内は石仏が所狭し

壺阪霊験記

インドと石に何かと目がいってしまいがちですが、実はこのお寺、もともとは眼病予防にご利益のある目の観音様で信仰を集めています。明治時代には、失明回復にまつわる夫婦愛を描いた浄瑠璃「壺阪霊験記」の大ヒットを受け、多くの人が参拝したというのですから、これはもう完全なるメディアミックスです。主人公夫妻の石像もしっかりあります。

 

仏像バイキング

本堂の中には油絵風のお釈迦様一代記の連作展示があったりと、ほかにも見所はいっぱいですが、この興奮の全てを伝えきれないので、実際に自分の目で確かめてもらえると幸いです。もう選り取り見取りの仏像バイキングのようなお寺で、お寺に全く興味がない方でも一度はご訪問あれ。

 

アクセス

【車】 近鉄吉野線壺阪山駅から約10分。 郡山ICより約70分。

【住所】奈良県高市郡高取町壷阪3

【営業】8時半~17時 無休 大人800円