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京阪奈の地元民ならではの奈良と京都南部の隠れたスポット・おすすめ情報をご紹介していきます。

奈良の超偉人の奇想遺産 東洋民俗博物館

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怪しげな儀式グッズからミイラまで展示される奈良市にある個人博物館

 

東洋民俗博物館

黄色い人と書いて、おうじん。自らをイエローマンと称した九十九黄人こと九十九豊勝氏は、平成2年に数えの104歳でお亡くなりになりました。誰の話かというと奈良市にある財団法人「東洋民俗博物館」の元・名物館長のことです。民俗学の研究と収集に特に興味を持ち、様々な奇妙なもののコレクターとして、何度かマスコミに取り上げられた奈良の超偉人です。

 

森羅万象のガラク

豊勝氏が世界中から集めた古今東西の不思議がいっぱいです。「初代館長豊勝氏の意集は、ガラクタ集めが真骨頂だ」と言われているとおり、「欧州の騎士の兜」「明治維新の巡査の帽子」「元寇来襲の元の兜」「戦国時代の武将の兜」「江戸時代の下級武士の兜」「江戸時代の望遠鏡」となんでもあります。ハングル語の原型説もある謎のアヒル文字で書かれた京都・吉田神社の掛け軸もあります。館長の資料によれば神社に伝わる十種の神器のことが書かれているとか。その他、戦時中に役場や学校に配布された B-29爆撃機の模型で、これを見たら避難しろという注意勧告用に使われたものもあります。

東洋民族博物館

森羅万象のガラク

 

2代目が管理

あの膨大な数のコレクションは、豊勝氏没後今どうなっているのでしょうか。閉館中、近日開館、開館中と錯綜する情報の中、思い切って電話をかけてみました。「どうぞどうぞいらしてください。」とのありがたいお言葉をもらいます。「現在の館長は、豊勝氏の四男の弓彦氏。ユーモアトゥーマッチなお父上を反面教師に、4人の息子さんたちは皆、堅実なお仕事についたのだとか。弓彦氏はお仕事を退職されてから館長に就任し、この膨大な資料の整理をされていました。お茶などごちそうになりつつ、ゆっくりと展示品の解説をして頂くことになり恐縮です。

 

九十九豊勝氏

英語、朝鮮語、ドイツ語など数カ国語を独学でマスターした豊勝氏は、研究のため来日したアメリカ・シカゴ大のフレデリック・スタール人類学博士の通訳として、明治~大正の7年間、日本の民俗・風習の研究のため一緒に全国を行脚したのだそうです。その後、単独で世界各国へ探検に出かけ民俗学を調査し、その結果がこのコレクションになったのだとか。奥の小部屋にある「森羅万象窟」にも入れていただきました。貴重な書籍がズラリとあり、怪しくて可笑しい玩具や模型が所せましです。どこからか豊勝氏の笑い声が聞こえてきそうです。豊勝氏はお亡くなりになる際、紙と鉛筆を所望し、「GOODBYE」と記したそうです、流石です。

 

 アクセス

【電車】近鉄奈良線菖蒲池駅から徒歩10分

【営業】入館料:大人500円。 10:00~16:00 不定休要電話予約:0742513618

【住所】奈良県奈良市あやめ池北町1-526