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京阪奈の地元民ならではの奈良と京都南部の隠れたスポット・おすすめ情報をご紹介していきます。

パワースポット注目エリア!はじまりの地 奈良県桜井市

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桜井市は、弥生時代から古墳時代にかけて日本の中心としての文化が形成されていく舞台でした。教科書にも登場するヤマト王権の誕生の地です。

埋蔵文化財センター

桜井市埋蔵文化財センターを訪れて、そういった時間的・空間的な位置づけを俯瞰して見ることができました。学芸員さんに話を聞きました。「弥生時代末期から古墳時代前期にかけての纏向遺跡があります。ここの特徴のひとつは、大きな箸墓古墳です。3世紀の日本でいちばん大きな古墳です。そしてもう一つ、いろんな地域から土器が集まっています。政治経済の中心地だったということは間違いないだろうと思われます。」藤原京として都が特定される以前は、代ごとに天皇のいる場所が移り変わっていました。その多くが桜井市内にあったと推定されています。「天皇である大王家が治めていた土地だったと思われ、纏向もその候補であろうと考えられます。」 

 

大神神社

仏教が伝来する前の4世紀から5世紀、三輪山の麓に祈りや祀りの場が現れます。原初的な信仰の形態です。大神神社社務所でお話を聞きました。「最初は、自然のなかに神さまがおられ、とくに御山に神がおられるというので、その山の麓で祀りをおこないました。聖なるところで祀りが繰り返しおこなわれるなかで、やがてそこに神社が生まれてきました。」

 

三輪山御神体なので本殿はありません。大神神社こそが、日本で最初の神社であると考えられています。「ヤマト王権ができる過程で、次第に祀りもひとつのかたちができて、それを基準として各地に広まっていったといいます。そのはじまりが大神神社だろうと思われます。」酒や薬、素麺などが大神神社の信仰として祀られるのは、それらが祈りのなかで生まれ供せられたからでしょう。「大切なのは、そういう信仰が今もここで神社として続いていることだと思うんですね。」とのこと。

 

訪れて感じたこと

大神神社の中で長い参道が続き、注連縄を張った標柱にたどり着きます。昔は生の樹木に縄をかけ結界としました。そして拝殿は鎌倉時代に建ったものでしたが、江戸時代に再建され、それでも拝殿自体はそんなに古く感じません。歴史のはじまりは今もここにあり、見えるものとしてだけではなく濃厚な「気」としてあるのだろうと感じました。